三期目の知謝塾

2012年の4月に始まった知謝塾は今年で三期目を迎えている。
一期目はある分野の専門家の講演や討論、二期目は池袋のカルチャー・スクールとコラボすることにより、仲間だけの議論だけではなく公開的な形式で、「在野の知」との交流も意識して進めてきた。

当初、知謝塾の目的は大学や企業では得られない「知」の獲得であった。その目的は今でも変わらないが、実際にやってみると期待以上の「知」が得られたように思われる。村上陽一郎先生の学者と知識人は違うという考え方や教養の重要性、伊東俊太郎先生の宇宙や自然は生きている、デカルトやベーコンが切り開いた機械論的自然観ではない、生命論的自然観の重要性、等々自分の人生観を覚醒させる内容だった。

さて、今年、三期目は「挑戦」をテーマにしている。
当たり前のテーマに思うかもしれないが、特に人生後半の「再」挑戦は特別な意味を持つ。若い時の挑戦は少しでも良い仕事をしたいと思う一心からいろいろな障害を乗り越えるための挑戦であり、いわば「生活」の一環としてのそれである。しかし、一仕事終わった後の「再」挑戦は、「人生」とは何かを考える挑戦であろう。従来とは異なる仕事へ挑戦をすることにより、自分を、社会を、新しい次元でとらえ直す仕事と捉えてよいと思う。例えば、ボランティアも大きな挑戦である。老人に寄り添って尽くすことにより、利他の心の芽生えと精神の内的成長が図られる。教養と同様に自己が新たに構築されるのである。そこから、感謝や謙虚さの意識が磨かれる。

挑戦している人は何故か美しい。自分の限界を超えて新しい世界を自分の力で切り拓いているからである。正に、創造性の発露だ。そこには金や地位といった他人の目や評価を意識しない純粋な世界が広がっている。知謝塾三期目は、挑戦している人達の講演や交流を通じて「知」だけでなく、「謝」の意味にも焦点を当てて運営していきたいと思う。

乞うご期待を。

塾長 
武田 英次