企業は公共体である。 伊東俊太郎談

伊東先生への会場からの質問は残念ながら、時間の都合上、お一人だけであった。

機械論的自然観から創発自己組織系としての自然観へ。
エートスの革命であるところの環境革命。
その重要性はよく理解できたが、そうした考え方を現実の中に具体的に活かしていくにはどうしたら良いのか。われわれは企業に属し、会社員として毎日を送っている。その組織や職場を変えていくには、まさにエートスを変えていくにはどうすればよいのか。ヒントを教えてほしい。



凡そ、こんな趣旨の質問だったと記憶する。
これに対して伊東先生はビビッドに反応された。

近代文明は、より早く、より多く、しかも効率的に、という考え方、価値観が支配し、また原動力となっている。まさに時代のエートスそのものだ。基本的には今もそういう時代が続いている。企業組織やそこでの働き方もそこに準じているのは確かだ。現実にそのエートスに抗うのは難しい。よくわかる。
しかし、すでに社会は揺らいでいる。大きく揺らいでいる。企業もまた同様で、その組織が生き残っていくためには今のままではいけない。大きな改革が必要だ。企業自身がそのことは一番よくわかっている。僕は企業もまた「公共体」になっていくと思う。CSR(企業の社会的責任)と言われているが、もっと踏み込んでCSC(Corporate Social Contribution:企業の社会的貢献)と言いたい。利潤の追求・最大化ではなく、社会貢献や社会価値の創造、社会課題の解決、それ自体を事業目的とするような、新しいタイプの企業が世界的にも出てきている。これは本当に大きな変化ではないですか。今、企業に一番求められているのは、組織の枠に収まらないあなたのような存在だ。自信をもってやってください。



会場には、このテーマについての第一人者の紺野登先生もおられたので、是非、ご意見を伺いたいところであったが、その前に時間切れとなってしまった。

しかし、実にいい流れであった。
決して意図したわけではない。まさに自己組織的な創発作用として、会場ではかように有意義な対話が繰り広げられたのである。これぞライブの醍醐味と言えよう。

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(文責:飯塚)