孫の笑顔から

孫の笑顔を見ていると、「目に入れても痛くない」という言葉が良く分かる歳になってきた。 孫は二歳であるが、玩具を片付けしたので手を叩いて褒めてやると、自分でも手を叩き、玩具を出しては片付ける行為を幾度となく繰り返す。 その度に褒めてやると満面…

平凡なる非凡

「平凡なる非凡」という言葉がある。波乱万丈な人生よりは平凡な人生が素晴らしい。しかし、この平凡な人生を生きるのが難しい、という意味であろう。若い時には味わえない考え方である。 若い時は青雲の志を持って、前へ前へと進み、立ちはだかる敵を打ち砕…

A Blessing in Disguise (仮装した祝福)

「a blessing in disguise(仮装した祝福)」という言葉がある。 意味は“一見不幸な出来事も仮装しているだけで、実は天の祝福、恩恵なのである”ということらしい。 別の言葉でいうと、“どんな逆境に遭っても決して天を怨まず人を咎めず、自らを信じて心穏や…

科学者の魂に触れる

次回の知謝塾にお招きする山口栄一先生の最新著は、今年の2月発行された『物理学者の墓を訪ねるーひらめきの秘密を求めて』というエッセー風偉人伝だが、ご本人いわく、昨年暮れに出た『イノベーションはなぜ途絶えたのかー科学立国日本の危機』と表裏一体…

<開催案内>第30回知謝塾京都大学総合生存学館・山口栄一さん「イノベーションは なぜ途絶えたかー科学立国日本の危機ー」

2012年4月にスタートした知謝塾はおかげさまで通算30回目となります。 記念すべき第30回にお迎えするのは、京都大学の山口栄一先生です。 生粋の物理学者としてスタートしながら、壮観とも言うべき多彩なご経歴を通して培った深い文明史的視野から…

【塾長エッセー】笑いの効用

会社を退職した後、何か地域でボランティアみたいなことをしたいと思っていると市報に「江戸小噺養成講座」という記事が目に留まった。 昔から落語は好きで、時々寄席に行っていたが、自分が小噺をして老人ホームや介護施設を廻るとは思ってもいなかった。 …

無知の認識

今年のベストセラー『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)は一読に値する本である。 その中で、17世紀の「科学革命は・・知識の革命ではなかった。何よりも、無知の革命だった。科学革命の発端は、人類は自らにとって最も重要な疑問の数々の答え…

群個の時代

戦国武将 真田昌幸の言葉 「軍勢を一つの固まりと思うな。 一人一人が生きて、一人一人が思いを持っておる。 それをゆめゆめ忘れるな!」が話題を集めている。 何故だろうか。 今はマスといわれ、 十羽一絡げにされた人々(群衆)の一人一人にも光が当たる時代…

産学官連携

最近、産学連携の動きが盛んである。 何故だろうか。 ここでは企業研究者の立場で論を進める。 今、エレクトロニクス企業の研究者は研究のコアを失っている気がする。 1970年代後半から世界の企業(勿論、日本企業も)は半導体一色に染まっていた。 もちろん…

人の育成とは

人の育成の重要性は常に指摘されるがこれが意外に難しい。 順を追って説明しよう。 先ず、教師やコーチの場合は人を育てることが仕事であり、素晴らしい成果を挙げた生徒が育ったり、偉大な結果を残す選手が現われたりすると名伯楽として評価されるのであま…

努力について

2016年の本屋大賞をもらった宮下奈都氏の小説『羊と鋼の森』の中に次の様な文章が目に留まった。 「努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。自分の頭で考える範囲内で回収しようとするから、努力は努力のままなのだ。そ…

吉田沙保里の銀メダルは何を意味するのか -バランスとは-

リオ・オリンピックは日本中を熱狂の海に巻き込み、感動の涙を流した人も多いと思う。 私もその一人であるが、その中で特に印象に残っているのがレスリングの吉田沙保里の四連覇達成ならず、「銀メダル」に終わったシーンである。皆さんはこの結果をどのよう…

「圧倒的悲劇を前にして小説は何ができるのか -マルチの視点-」

2011年。3.11の東日本大震災の後、表題の言葉は小説家達が発した言葉である。 小説家の想像を絶する惨事を前にして小説は再生や希望、あるいは癒しを提供できるのかという意味である。 当初、私は小説のようなものが不条理な悲劇を被った人達を救えるとは到…

陽徳と陰徳

陽徳と陰徳という言葉がある。 前者は見返りを期待して善行を行うこと(徳を積む)で後者は見返りを期待しないで徳を積むことを意味する。母の自分の子供に対する愛や慈しみは陰徳であり、菩薩愛ともいう。 最近の知謝塾(2015年5月30日)で(株)メンバーズ…

第二回 地域コミュニティビジネスについて共に考える

My Challenge, My Innovationの第二回は、秋口の10月はじめに開催した。 そのテーマは、「地域コミュニティビジネス」という旬なタームとした。 三鷹市をはじめ、中央線沿線がその先進地域であることはよく知られているところだが、第二回では、長年、代表的…

知謝塾 第三期シリーズ「My Challenge, My Innovation」を振り返る

今年の後半、知謝塾では、これまでの著名な有識者の先生方をお招きしての講演会というスタイルを変えて、今まさに挑戦的なテーマをみずから掲げて、新しいプロジェクトを立ち上げ、それに取り組んでいる市井のチャレンジャーたちの話を聞く、という試みをス…

技術者による新たな人間学の試み~ヒューマンビッグデータという挑戦~

ご存知の方も多いと思いますが、この夏、知謝塾ファミリーの矢野和男さんが待望の一般向け単行本をリリースされました。 ビッグデータ・ブームのまっただ中、あれよあれよと言う間にビジネス書のベストセラーにランクインしたのは、独創的なコンテンツの素晴…

(開催案内)知謝塾第三期(第一回)映像のプロが入魂の新プロジェクトを語る

知謝塾第三期シリーズ 第1回 21世紀の映像クリエイティブを語る ―本物を撮ることへのこだわり。高知プロジェクトを通して― ㈱東京映画社 代表取締役社長 百々 立夫 氏 日時:2014年8月2日(土)13:00~16:00 場所:小金井市市民会館「萌え木ホール」A会議…

知謝塾 第三期シリーズ My Challenge, My Innovation

変革の時。 新たな挑戦を始めている人々が居る。 ある人は、自己実現を目指して。 また、ある人は、社会課題を解決するために。 知謝塾の有志の中でも、そんな挑戦が始まっている。 新たな挑戦に込めた一人ひとりの“思い”を共有しながら、その試みを支援する…

三期目の知謝塾

2012年の4月に始まった知謝塾は今年で三期目を迎えている。 一期目はある分野の専門家の講演や討論、二期目は池袋のカルチャー・スクールとコラボすることにより、仲間だけの議論だけではなく公開的な形式で、「在野の知」との交流も意識して進めてきた。 当…

上手い質問

小林秀雄の言葉に「質問するというのは難しいことです。本当にうまく質問することができたら、もう答えは要らないのです。ベルグソンもそう言っています。」「批評とは上手に質問する技術である」というものがある。 これは、質問する側が、問題の本質を的確…

「人間の生きざま」には勝ちも負けもない

私の好きな直木賞作家、葉室鱗の言葉に、「私は歴史の敗者を描きたい。彼らの存在に意味はなかったのか、と」、がある。江戸時代の武士の矜持や市井の民の人情を描いた藤沢周平も同じようなことを言っていた。生きた結果としての失敗、挫折は人生には付き物…

態(てい)の良い生き方

「態の良いものが偉くなる」「昔は技術系で武骨なやんちゃな人がトップになっていたが、今は物わかりの良い人が偉くなる」といったのは稲盛和夫氏である。これは私流に解釈すると、創造性のない人間、挑戦しない人間、調整型の人間、が偉くなっている現状に…

元祖科学インタープリターの村上陽一郎先生の講演を聞く

知謝塾の公開講座シリーズは、先週土曜日の村上陽一郎先生の講演をもって全6回、無事に終えることができました。運営担当の池袋コミュニティ・カレッジ関係各位、以前からの知謝塾サポーターの皆様、そして貴重な休日にもかかわらず会場に足を運んでくださっ…

ボランティアとは

最近、江戸小噺に凝っている。福沢諭吉の「一身にして二生を経る」ではないが、新しいものへの挑戦である。ボランティアとして、老人に小噺をして笑っていただけるとこちらの方が元気を戴く。それも双方向のコミュニケーションが大切だ。 「知謝塾」は「知」…

「中身」の時代

私は以前、「形から入るマネージメントの限界」という一文を書いたことがある。 その中の文章を一部引用すると: よく問題や課題を解決するために、先ず、組織を作ってアイデアや解決策を検討する場合がある。とかく、マネージャは「組織は作った、後は君た…

「社会システム・デザイン」待望論序説――知謝塾&池袋コミカレ講座第五回 横山禎徳さんの講演を聞く(3)

講演会後、いくつか横山禎徳さんの旧著に目を通してみた。 デザイナー、アーキテクトと自称する通り、基本的にみずからの思想イデ―を言語的に表わすことを本分とする人ではないのだろう。行動のための思索、決断のための理論、一言で言えば「実践知」。抽象…

マッキンゼーの『親分』、大いに語る――知謝塾&池袋コミカレ講座第五回 横山禎徳さんの講演を聞く(2)

今回、横山禎徳さんの講演テーマは「自分の生き方はデザイン可能か」であった。 これは「人生論、人生学をお願いしたい」という、こちらからのオファーに対して当初、横山さん自身からご提示いただいたタイトルである。もちろん、「人生を思いどおりにデザイ…

「心」財の時代 -成長の三段階-

21世紀は「心の時代」と言われて久しい。しかし、現実は日暮れて道遠しという感がある。何故か、我々は未だに「モノ」の価値観にどっぷり浸かっているからである。拝金主義(モノ、カネ、権力、地位・・)の価値観が快いのである。他人よりも多くのモノ、カ…

「偶然の必然」を知る――知謝塾&池袋コミカレ講座第五回 横山禎徳さんの講演を聞く(1)

先週土曜日、池袋コミュニティカレッジでの知謝塾公開講座第五回は、長らくマッキンゼー・ジャパンのトップを務めた大物ビジネスコンサルタント、横山禎徳さんをお招きし、参加者各位ともども、たいへん有意義なひと時を共有することができた。 集客は満員御…